2015-08-16(Sun)

フィリピの教会 2015年8月16日の礼拝メッセージ

フィリピの教会
中山弘隆牧師

 その後、わたしはすべての人にわが霊を注ぐ。あなたたちの息子や娘は預言し、老人は夢を見、若者は幻を見る。その日、わたしは、奴隷となっている男女にもわが霊を注ぐ。
ヨエル書3章1~2節


 さて、彼らはアジア州で御言葉を語ることを聖霊から禁じられたので、フリギア・ガラテヤ地方を通って行った。ミシア地方の近くまで行き、ビティニア州に入ろうとしたが、イエスの霊がそれを許さなかった。それで、ミシア地方を通ってトロアスに下った。その夜、パウロは幻を見た。その中で一人のマケドニア人が立って、「マケドニア州に渡って来て、わたしたちを助けてください」と言ってパウロに願った。パウロがこの幻を見たとき、わたしたちはすぐにマケドニアへ向けて出発することにした。マケドニア人に福音を告げ知らせるために、神がわたしたちを召されているのだと、確信するに至ったからである。わたしたちはトロアスから船出してサモトラケ島に直航し、翌日ネアポリスの港に着き、そこから、マケドニア州第一区の都市で、ローマの植民都市であるフィリピに行った。そして、この町に数日間滞在した。安息日に町の門を出て、祈りの場所があると思われる川岸に行った。そして、わたしたちもそこに座って、集まっていた婦人たちに話をした。ティアティラ市出身の紫布を商う人で、神をあがめるリディアという婦人も話を聞いていたが、主が彼女の心を開かれたので、彼女はパウロの話を注意深く聞いた。そして、彼女も家族の者も洗礼を受けたが、そのとき、「私が主を信じる者だとお思いでしたら、どうぞ、私の家に来てお泊まりください」と言ってわたしたちを招待し、無理に承知させた。
使徒言行録16章6~15節


(1)最初の信仰者たち
 本日の聖書の箇所には、使徒パウロが初めてヨーロッパにキリストの福音を伝えた様子が記されています。
 第二世界伝道のとき、彼は小アジアの西端、トロアスに到着し、その夜、幻を見ました。それは一人のギリシャ人が立って、「マケドニア州に渡って来て、わたしたちを助けて下さい」と懇願している幻でした。
 「パウロがこの幻を見たとき、わたしたちはすぐにマケドニアに向けて出発することにした。マケドニア人に福音を告げ知らせるために、神がわたしたちを召されているのだと、確信するに至ったからである。」(使徒言行録16:10)
 ここで、パウロは「わたしたち」と言っています。これはパウロの第二伝道旅行に彼と行動を共にした協力者がいたことを意味しています。この点について、使徒言行録15章40節を見ますと、パウロにはシラスと言う協力者がいました。シラスはエルサレム教会がパウロの協力者として選んだ人で、使徒たちの信頼が厚い伝道者です。また、第二伝道旅行の途中で、パウロたちが自分たちの協力者に選んだ青年、テモテがいました。テモテはユダヤ人であるクリスチャンの母と異邦人であるギリシャ人の父を両親とする異邦人クリスチャンでした。
 ここで、パウロたちは幻について良く考えた結果、「神がわたしたちを召されているのだと、確信するに至った」と言っています。神の導きと示唆を受けたとき、良く考え、その意味を判断しました。 
 この点が非常に重要なのです。他方、そうと一旦決めると「わたしたちはすぐにマケドニアに向った出発した。」と言っています。
 判断すれば、臆せず行動するということが、また聖霊による神の導きに従うために、非常に重要となります。
 そのようにしてパウロたちはエーゲ海を航海し、初めて西洋に渡り、キリストの福音を宣教しました。
 次に、ギリシャで一番初めに伝道する場所として、彼らはフィリピの町を選びました。なぜならフィリピの町はローマ兵が駐屯し、その町の市民は皆ローマの市民権が与えられるローマの植民都市で、東と西を結ぶ交通の要所であったからです。
 そこで、パウロたちは従来の伝道方針に従い、先ず神を信じている者が礼拝のために集まるユダヤ人の会堂に入り、主イエス・キリストの福音を語ろうとしました。
 なぜならば、彼らが伝える主イエス・キリストは神が旧約聖書で約束されている救い主でありますから、先ずキリストをユダヤ人の救い主として福音を語る義務があったからです。
 さらに、主イエス・キリストの救いはその性質上、ユダヤ人に限らず、すべての人間に与えられる神の恵みでありますから、福音は異邦人にも語るべきであります。実にこのことがパウロの使命です。
 そういう訳で、パウロは神を信じているユダヤ人と異邦人が共に集まっているユダヤ教の会堂を探しましたが、フィリピの町には見つかりませんでした。しかし、信者はフィリピにもいる筈ですから、安息日には信者が集まる祈りの場所を探し、川辺にそれを見つけ、集まって来た人たちに福音を語りました。
 「ティアティラ市出身の紫布を商う人で、神をあがめるリディアという婦人も話を聞いていたが、主が彼女の心を開かれたので、彼女はパウロの話を注意深く聞いた。」(16:14)
 リディアは小アジアのティアティラ市出身の紫布を商う人であったと記されていますが、ティアティラは紫の染料で有名な町です。リディアは有能な女性で、たぶんそこの商店から、フィリピに派遣されていた責任者であったと思われます。
 彼女はこれまでユダヤ人が信じている神が真の神であることを知り、彼らの清い道徳生活は神の祝福と働きによることを認め、ユダヤ人と一緒に神を礼拝していた異邦人でした。彼女はそのように神を信じていたのです。他方、自分もユダヤ教徒になり、ユダヤ教の様々な戒律に縛られた生活をすることには同意していませんでした。
 これまでの自分の求道生活を顧み、そして今自分が心から神に求めているものが何であるかを思い巡らし、真剣にパウロの話を聞いたのです。ここに神の導きが現れています。
 「主が彼女の心を開かれたので、彼女はパウロの話を注意深く聞いた。」と聖書は説明しています。
 このように、神様はキリストの復活の証人である使徒パウロを通して、キリストの福音を語らせ、同時に聞く者の心に聖霊を与え、熱心に聞くようにされたのです。
 リディアは福音の言葉を真剣に聞いているうちに、自分がこれまで知らずして求め探していたものが実はここにある。それは主イエス・キリストである。キリストこそ自分の罪を赦し、新しい命を与え、神の御前で清く、正しく生きるようにしてくださる真の救い主である、と思ったのです。
 さらにこの思いの確かさは自分の力による確かさではなく、正に神によって与えられる確かさであることが分かったのです。
 その時、彼女は神を信じることと、主イエス・キリストを信じることは不可分離で、両者は調和しており、一つになっているのだと直感し、主イエスを信じました。そしてパウロの勧めにより、主イエス・キリストの名によって洗礼を受けました。
 「そして、彼女も家族の者も洗礼を受けた。」(16:15)

(2)主イエスのために共に仕える
 次に、リディアは感謝と喜びに満たされて、神の救いを伝えているパウロたちの伝道に、信徒として協力することを申し出ました。しかも聖霊による神の愛と熱意に溢れてパウロたちを説得しました。
 「そのとき、『私が主を信じる者だとお思いでしたら、どうぞ、私の家に来てお泊りください』と言ってわたしたちを招待し、無理に承知させた。」(16:15)
 これは実に大胆な申し出です。自分の家をパウロたちの宿として提供し、さらに自分の家をキリスト教の集会のために解放しましょうと、申し出ました。これにはパウロたちも驚きました。これは単なる一時的な感激や月並みの感謝ではなく、純粋に主イエスの愛に応えることから発せられています。全く主イエスに対する感謝の献身と忠誠心により、パウロの伝道に協力することを自発的に決意したのです。
 パウロたちが主イエスのために、自分のすべてを献げて、福音伝道に従事していることに感動し、また心からその生き方に共鳴しましたので、そのように大胆な決断を致しました。
 そして彼女は自分の知っている人たちを集会に誘い、伝道のために大いに力になったのです。このようにして、パウロたちはリディアの家を礼拝と伝道のために使用することができましたので、異邦人を対象にした伝道が前進しました。フィリピの町は大都会ではありませんでしたが、それでも着実に教会は発展し、地方における福音の強力な拠点となったのです。
 このようにパウロたちは、フィリピ教会の信徒たちの働きを深い信頼を持って喜んで受け入れ、それ以後パウロは自分が他の所で福音伝道の労苦を担い、奮闘しているときは、いつもフィリピの人たちのことを祈りの中で覚えました。また自分たちもフィリピの人たちに祈られ、お互いの心繋がりを主イエスによって生涯保ちました。

(3)フィリピの信徒への手紙
 最後に、パウロは世界伝道のため多忙な生活の中で、諸教会に多くの手紙を書きましたが、最後の手紙はフィリピの教会に宛てた手紙です。
 それゆえこの手紙はパウロの遺言ともいうことができます。その後まもなくローマでネロ皇帝によるキリスト教の大迫害が起こり、パウロはペトロと共に殉教しました。
 パウロは二回の世界伝道を果たした直後に、エルサレムに行きましたが、そのときエルサレム教会は経済的な困難に直面していることを知り、異邦人教会が援助することを計画し、献金を募りました。それはユダヤ人教会と異邦人教会が主にあって一つに結ばれていることの証しとして、また霊的な面で異邦人教会はエルサレム教会に負っている恩義に対する感謝の表明としての献金でした。
 そのようにして集められた献金は、パウロが三回目の世界伝道の帰路に着いたとき、パウロたちによってエルサレム教会の代表者たちに手渡されました。
 そのときエルサレム教会の主だった人たちはユダヤ教徒たちがパウロの伝道を妨害しないためにという配慮から、エルサレム教会で誓願を立てる予定のユダヤ人クリスチャンがいましたので、彼らがエルサレム神殿での清めの儀式を受ける費用をパウロが負担し、パウロも一緒に神殿に参詣するように勧めました。
 しかし結果は、彼らの善意がかえてユダヤ人の反感を買い、パウロに反対するユダヤ教徒が暴動を起こし、パウロはローマの総督に保護される事件が起こりました。そのときユダヤ教の当局者たちが、総督にパウロは暴動の張本人で、ローマに反乱を起こそうとしたと訴えましたので、パウロはローマ皇帝ネロの裁判を受けることになり、ローマに護送されました。それゆえローマで監禁されている期間に、フィリピの信徒への手紙は書かれたのです。
 この手紙の特徴は主イエス・キリストを信じる者たちの喜びです。次のように言っています。
 「だから、わたしが愛し、慕っている兄弟たち、わたしの喜びであり、冠である愛する人たち、このように主によってしっかりと立ちなさい。」(フィリピ4:1)
 パウロの喜びは、フィリピの信徒たちが主に結ばれて、迫害に耐え、信仰の生涯をしっかりとした態度で歩んでいることです。
 他方、パウロは「生きるのも主イエスのため、死ぬのも主イエスのため」(ローマの信徒への手紙14:8)と言いう思いと姿勢を堅持していることが、フィリピの人たちを励まし、喜びを与えるのです。

 クリスチャンの喜びはこのような相互関係の中で増し加わります。それゆえ彼はフィリピの人たちに「喜びなさい」と勧めています。 
 「主において常に喜びなさい。重ねて言います。喜びなさい。--どんなことでも、思い煩いはやめなさい。何事につけ、感謝を込めて祈りと願いをささげ、求めているものを神に打ち明けなさい。そうすれば、あらゆる人知を超える神の平和が、あなたがたの心と考えとをキリスト・イエスによって守るでしょう。」(4:4~7)
 ところで、「主において常に喜ぶ」ということは、困難と苦しみの中で、それらに打ち勝つ喜びなのです。
 どうしてそんな喜びがクリスチャンの心から湧き出るかと言いますと、それは主イエスの福音を聞いて、主イエスを信じるとき、死人の中から復活された主イエスの存在と働きの生ける霊的な現実が分かるからです。実にクリスチャンの喜びはこの点にあります。
 同時に人間の救いは、キリストの中に保存されており、終わりの時に完全に現れる神の国の中にあることが分かるからです。しかも主イエスは神の国の支配者であることが分かるからです。
 それではどうして分かるかと言えば、福音の言葉を通して、復活の主イエスが御言葉を聞く者と出会い、聖霊を与えられるからです。聖霊は人の心を照らし、主イエス・キリストの現実、キリストの救い、キリストの支配をわたしたちに教え、心に銘記するからです。
 わたしたちは主イエスに従うことにより、主の命に生かされることを日々体験していますので、救いを知ることができるのですが、あくまでもそれは救いの一部であり、救いの完成ではありません。
 それにも拘らず、まだ完成していない救いをクリスチャンは現在、認識することができるのです。それが聖霊の働きです。クリスチャンは聖霊によって、信仰によって、救いの完成を知り、喜ぶのです。
 信仰によって、キリストの救いを認識し、キリストの救いと神の国を心に抱くのです。そのことによって喜びが常に心の中から湧き出るのです。
 従って、クリスチャンの喜びの対象はこの世の中の事柄ではなく、終わりの時に現れる神の国です。神の国がクリスチャンの本国として与えられていることを確信し喜びに満たされるのです。クリスチャンはキリストの勝利と救いの完成を心に抱いて喜んでいるのです。 
 それゆえ喜びは神の国の性質です。神の国の市民たちは皆、喜びと平和と命に満たされています。
 「神の国は、飲み食いではなく、聖霊によって与えられる義と平和と喜びなのです。」(ローマ14:17)
 要するに、クリスチャンはイエス・キリストとその救いを告げる福音の御言葉に立脚し、実行することによって、同時に聖霊によって心が照らされ、「神の国」を心に抱くのです。そうすることによって信仰の生涯を逞しく歩むのです。それは自分自身の弱さと、罪深さと、この世の思いを持っているクリスチャンの姿とは、非常に逆説的です。なぜならばクリスチャン自身は土の器ですが、その中に復活のキリストの無限の宝が盛られているからです。  
 実に聖霊の結ぶ実は、「愛であり、喜び、平和、寛容であります。」(ガラテヤ5:22)



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