2015-07-26(Sun)

万事を益とされる神 2015年7月26日の礼拝メッセージ

万事を益とされる神
中山弘隆牧師

 主は羊飼い、わたしには何も欠けることがない。主はわたしを青草の原に休ませ、憩いの水のほとりに伴い、魂を生き返らせてくださる。主は御名にふさわしく、わたしを正しい道に導かれる。死の陰の谷を行くときも、わたしは災いを恐れない。あなたがわたしと共にいてくださる。あなたの鞭、あなたの杖、それがわたしを力づける。わたしを苦しめる者を前にしても、あなたはわたしに食卓を整えてくださる。わたしの頭に香油を注ぎ、わたしの杯を溢れさせてくださる。命のある限り、恵みと慈しみはいつもわたしを追う。主の家にわたしは帰り、生涯、そこにとどまるであろう。
詩編23篇1~6節


 神を愛する者たち、つまり、御計画に従って召された者たちには、万事が益となるように共に働くということを、わたしたちは知っています。神は前もって知っておられた者たちを、御子の姿に似たものにしようとあらかじめ定められました。それは、御子が多くの兄弟の中で長子となられるためです。神はあらかじめ定められた者たちを召し出し、召し出した者たちを義とし、義とされた者たちに栄光をお与えになったのです。
ローマの信徒への手紙8章28~30節


(1)産みの苦しみ
 人は誰でも、健康で、生活が保障される安泰な人生を歩むことが幸福であると考えていますが、それは極めて非現実的な考え方です。必ずいつか困難な問題や状況に突き当たり、失望することになってしまいます。他方、予想していなかった困難や災いが自分の身に降りかかっても、絶望せず、苦難の先にある希望を見つめ、現在の苦しみを「産みの苦しみ」として受け取ることのでき人、そして困難に耐え、創造的な働きのできる人もいます。そのような人々は自分の優れた素質と能力に生きるのです。しかし、そのような特殊な人ではなく、神の恵みに生かされる人は、誰でも与えられた人生を創造的に逞しく生きることができます。
 なぜならば、この世界と人間が神によって創造された被造物として認識する信仰の視点を持てば、さらにイエス・キリストの救いの視点に立てば、「万物」が今日の時代に産みの苦しみをしていると言うことができます。 
 キリストの使徒パウロはローマの信徒への手紙8:22でこのように言っています。
 「被造物がすべて今日まで、共にうめき、共に産みの苦しみを味わっていることを、わたしたちは知っています。」
 人間は苦労の果てに皆死んでしまう。自分の利益を獲得するために、人と争い、力でその目的を達成しても、所詮すべては過ぎ去り、すべては滅びるのだと思うとき、人は皆虚無の中にあります。この自己矛盾は今日の人間と国家の深刻な問題です。神から離れた人間と世界が抱えている自己矛盾です。
 従って、今日の最も深刻な問題は、日本が敗戦から70年を経て、経済的に発展し、米国との軍事同盟を強化して、世界の覇権を掌握しようと野心を燃やし、軍事大国になろうとしています。それを安倍政権は積極的な平和主義といっています。
 このような最近の傾向を見ますと、日本が明治以来始めた侵略戦争が近隣諸国の多くの人の生命と財産を奪い、また自国の破滅を招きました。しかしその道義的責任を少しも認識せず、また国家の破滅をもたらした戦争体験から何も学んでおらず、また学ぼうとする意志を放棄してしまったこと、そして憲法に違反する戦争を政府の判断でできる法案を成立させようとしていること。この点が今日の日本の本当の危機であると言えます。
 なぜならばそのような国は決定的な滅亡に至るからです。主イエスは「剣を取るものは、剣で滅びる。」(マタイ26:52)と仰せになっています。
 それにも拘らず、パウロは産みの苦しみの根拠を説明しています。 「つまり、被造物も、いつか滅びへの隷属から解放されて、神の子たちの栄光に輝く自由にあずかれるからです。」(ローマ8:21)
 ここで神の子たちの栄光に輝く自由とは、人間と世界が陥っている虚無と滅びから解放されることです。人間は誰でも主イエスを信じ、主イエスと結ばれることによって、神の養子とされます。そういう意味でクリスチャンは現在、神の恵みと主イエス・キリストの支配のもとで、神の命令を実行する自由が与えられています。さらに救いが完成する終わりの日に、クリスチャンが「復活の主イエスの姿」に似る者へと「変貌する」ことを意味しています。
 同時に神の救いが完成する永遠の暁には、すべての人間が救われます。さらに人間だけでなく、被造物全体も神の恵みの輝きを反映する世界へと変貌します。これは何というスケールの大きい、遠大な視野に立った見方でありましょうか。
 今や主イエス・キリストが支配される「神の国」は現在の人類の歴史の中に突入しています。死人の中から復活された主イエス・キリストは世界の歴史の流れを導いておられるのです。それゆえ、人類の歴史の中で起こる一切の事柄は「産みの苦しみである」とパウロは断言できるのです。
 従って、わたしたちもパウロのように、今日の危機的な時代を産みの苦しみとして積極的に捕らえ、神が人間と国家に求められる本当の正義と人間の責任を明確にして、発言し、行動して、神の御前に生きる者となりますように、真剣に神に祈ることが必要です。
 
(2)クリスチャンの笑い
 次に、宗教改革者マルティン・ルターは悪魔の攻撃を受けて、悪戦苦闘している最中でも、クリスチャンは自由と快活さをもって明るく笑うことができると、言っています。それはクリスチャンが復活のキリストの代理人であるからだ、と言うのです。
 わたしたちは今なお闇の力に激しく襲われますが、それでもキリストの最終的な勝利をわたしたちの態度と言葉で表すならば、そのことによってわたしたちは復活のキリストを代表しているのだと、ルターは臆せず公言しています。それゆえ、クリスチャンはお互いに出会い、共に神を賛美することによって、今ここでキリストの勝利を表しているのです。
 主イエス・キリストは復活して、神の右に座しておられます。言い換えれば、今やいつでもどこでも神として臨在し、働いておられます。このキリストの最終的な勝利と笑いが、キリストにあるクリスチャンの霊的現実です。
 それゆえ、クリスチャンはすでに地上で、天上における最終的な勝利の先取りとして、喜ぶことができます。従って、わたしたちは共に愛し合い、共に喜び、共に笑い、共に歌おうではないかと、ルターは言うのです。

(3)神に知られている人生
 次に、クリスチャンはこのようにキリストの最終的な勝利を確信しておりますので、万事が益となると確信できます。
 使徒パウロはローマの信徒への手紙8章28節で次のように言っています。
 「神を愛する者たち、つまり、ご計画に従って召された者たちには、万事が益となるように共に働くということを、わたしたちは知っています。」
 実に、これが自分の人生に対するクリスチャン特有の見方です。 しかし、万事が益となるという意味は、決して万事が自分の思い通りになるというのではありません。「万事を益」としてくださる方は、わたしたちの人生の究極目標を知っておられる神だけです。その神の目から見て、万事が益となるように働くのです。
 従って、神は究極目標を達成するために、その方法と段階を決められました。この点について聖書は29、30節で語っています。
 「神は前もって知っておられた者たちを、御子の姿に似たものとしようとあらかじめ定められました。それは、御子が多くの兄弟たちの中で長子となられるためです。神はあらかじめ定められた者たちを召し出し、召し出した者たちを義とし、義とされた者たちに栄光をお与えになったのです。」(8:29~30)
 先ず神は「目標」を定められました。これは人間に対する神の永遠の目的です。人間を「御子の姿に似た者」とすることです。もちろん、この目的は神様が人間を愛して、そのように定められたのです。人間を愛する神の本質から出た目的です。しかもそれは無償の愛から出た、神の絶対的な自由によって定められた目的です。これは真に有難い目的です。
 そのために、神は父・子・聖霊の交わりの中に永遠に存在しておられる「子なる神」を、「真の人間」としてこの世界に遣わしてくださいました。御子イエス・キリストは真の神であり、真の人間となられたのです。しかも御子はそれ以後、永遠に変わることなく真の神・真の人間として存在しておられるのです。
 それゆえ、御子イエスの地上の生涯は父なる神が御子イエスの中で働き、イエスの言葉と行動はそのままで神の言葉と行動となり、神は御自身をイエスにおいて啓示されました。従ってわたしたち人間は御子イエスを見ることによって、神を見ることができるのです。
 さらに、イエスの生涯の頂点であり、その完成である十字架の犠牲の死は、人類の「罪の贖い」のための死でありました。
 神様は人間を救うために、人類の罪をイエスに担わせ、人類に代わってイエスを裁かれました。裁きにおいて、神の義が貫徹すること自体が人間の救いとなるのです。イエスはこの意味を完全に理解し、死の極みまで神への従順を全うされました。
 その結果わたしたちはイエスの中で、自分の罪とその束縛から解放されたのです。同時に、神はわたしたちのために、御前に生きる「新しい人間」をイエスの中に創造されました。これが「人間の救い」です。
 この「神の決定」を、神は御子イエスを死人の中から復活させ、神の右に座らせ、主権者とされたことによって、宣言されました。
 今や、復活の主イエス・キリストは救い主として、「教会の主」であり、同時に「世界と人類の主」として働いておられます。人間を神の御子イエスに似た性質を持つ者とする神の目的は、今や主イエス・キリストの中に既に成就したのです。
 そのような方として主イエスはすべての人の「救い主」なのです。それゆえ、復活の主イエスは、すべての人を救いに与らせるために、人々を教会に集められるのです。次に、神はその計画表を示されました。
 先ず、第一段階は未だわたしたちが神を知らないでいるときに、神はわたしたちを呼び出してくださいます。 
 そのため、わたしたちは教会の礼拝に出席し、聖書を読み、わたしたちの救いについて考えている中で、主イエスと出会い、信仰が与えられるのです。ここで生ける主と出会うということは、目に見えない復活の主イエスが臨在し、福音の言葉を通して、直接わたしたちの心に語ってくださることです。
 それは教会の礼拝において、聖書が読まれ、祈りが献げられ、牧師が聖書の御言葉に基づき、聖霊の働きによって説教するとき、復活の主イエスが礼拝に参加している人たちの所に臨在し、出会っておられるのです。
 そして主イエスは礼拝をしている会衆に聖霊を与えられます。聖霊によって主イエスの命と自由を与えて下さいます。さらに聖霊の働きによって信仰が与えられるのです。
 ここで、神は信仰を通してわたしたちの罪を赦して、神との人格的な交わりに入れてくださいます。これは神との正しい関係に入れられることであり、「信仰義認」と呼ばれています。
 それに続く、第二段階は、クリスチャンが信仰義認に基づいて、教会に連なり、信仰生活を送り、段々と主イエスの性質を映し出す者へと変えられることです。この信仰生活を「聖化」と言います。
 それはわたしたちが御言葉を聞き、御言葉を実行しようと決意し、実行に着手するとき、不思議にも実行できるのです。そのことを体験します。これが聖化です。
 神は既に復活の主イエスの中にわたしたちの自由を与えて下さっていますので、わたしたちが御言葉を実行することによって、その自由が働くことが分かるのです。御言葉の実践を通して、主イエスの命がわたしたちの中に働くことが分かるのです。
 そのように御言葉を聞き、理解し、自分を主イエスに献げ、決断し、実行するすべての「信仰生活」が、「聖霊の働き」です。それが「聖化の過程」を歩むことです。
 しかし聖化はあくまでも部分的であり、未完成です。それにも拘らず、神の救いが完成する終わりの日に、主イエスの性質に似る者へと変貌するのです。この希望と確信もまた「聖霊の働き」です。
 従ってわたしたちには留意すべき点が二つあります。
 一つの点は主イエスに従うか、それともこの世の考え方や生き方に従うかの二者択一を自分ですることです。主イエスに従うことはこの世の思いを捨て、主の思いを実行することであり、そのためわたしたちには常に決断と行為が必要です。これが第一点です。
 もう一つの点は、主イエスの歩まれた道は、「ただ一度限り」で繰り返すことのできない生涯です。その生涯において主イエスは父に完全に従われたので、それは「永遠の意味」を持っています。それゆえ神は主イエスの地上の歩みと十字架と復活を、人類の他の歴史の流れから切り離し、それを「神の言葉」されました。つまり、地上における主イエスのただ一回限りの歩みは、今や常に生きて働く神の言葉となり、人を「生かす霊的な現実」となっているのです。
 従いまして、主イエスに従う者は、地上での主イエスの御足の跡を辿ることです。但しクリスチャンは、主イエスが歩まれた古代とは全く異なる現代の環境の中で、主イエスの歩まれた足跡に従うことが必要です。
 それではどうすればよいかでしょうか。地上を歩まれた主イエスは今や「復活の主イエス」としてクリスチャンの中に働いておられます。その復活の主イエスに従えばよいのです。
 但し、復活の主イエスは今や神として働いておられるので、人間の目には見えません。しかし人は「聖霊」によって復活の主イエスの働きを知ることができます。そのため主イエスはわたしたちに聖霊を与えて下さったのです。



スポンサーサイト

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

コメント

教会案内
〒354-0044
埼玉県入間郡三芳町北永井959-3
TEL・FAX:049-258-3766

牧 師:中山弘隆

創立日:1972年2月19日

最寄り駅
東武東上線 鶴瀬駅 西口
東武東上線 ふじみ野駅 西口
よりタクシーで10分
※駐車場完備

三芳教会へのバス利用方法

MAP
三芳教会の地図です
定例集会案内
●主日礼拝
  毎日曜日 10:30~12:00
●教会学校
  毎日曜日 9:15~9:40
●朝の祈祷会
  毎日曜日 9:45~10:10
●キリスト教入門講座
  毎日曜日 9:45~10:10
●マルタマリア会(婦人会)
  毎木曜日 10:30~
●マルタマリア会例会(婦人会)
  毎月第2主日礼拝後

毎木曜日の祈祷会は、2011年5月より、毎日曜日の朝の祈祷会に変更となりました。
三芳教会のご案内
●牧師紹介

●年間行事予定

●写真で見る三芳教会
最新記事
行事報告
● 江田めぐみ伝道師就任式
 (2012年7月22日)


● 教会バザー報告
 (2011年11月23日)


● バーベキュー大会報告
 (2011年8月21日)


● イースター報告
 (2011年4月24日)


● 柿本俊子牧師隠退の感謝会報告
 (2011年3月27日)


● 講壇交換(三羽善次牧師)
 (2011年1月23日)


● 墓前礼拝報告
 (2010年11月7日)


カテゴリ
カレンダー
10 | 2017/11 | 12
- - - 1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 - -
月別アーカイブ
全記事INDEX

全ての記事を表示する

お知らせ
ようこそいらっしゃいました。



2016年10月に、当ブログの訪問者が9,000人を超えました。感謝いたします。

2015年9月に、当ブログの訪問者が8,000人を超えました。感謝いたします。

2014年9月に、当ブログの訪問者が7,000人を超えました。感謝いたします。

2014年1月に、当ブログの訪問者が6,000人を超えました。主の導きに感謝いたします。

閲覧者数
現在の閲覧者数
現在の閲覧者数:
メールフォーム
三芳教会やキリスト教についてのお問い合わせ、また当教会へのご意見、ご要望等がありましたら、下記のフォームよりうけたまわります。

お名前:
メールアドレス:
件名:
本文:

検索フォーム
リンク
QRコード
QR